20140716

私の男

「私の男」を観た。“熊切監督受賞記念上映&トーク”という珍しい日に観に行けてよかった!モスクワ映画祭のトロフィーも初お披露目だったそうです。めでたい!
相当覚悟して観に行ったので想像していたよりダメージは受けなかった。共感どころが何一つないからストレスなく観られたのかもしれない。以下ネタバレあります





一体どこから書き残せばいいのかわからないけど「どうしようもないなこの人ら!」というのがまずひとつ。他人に多大なる迷惑さえ掛けなければどうしようもなかろうが別にいいんだけど、人の命を奪っているのでやっぱりこの人らどうしようもない。物語の終盤あたりでさすがに二人の関係性も犯行諸々バレるんだろうなーと思っていたけどバレなかったから余計どうしようもない。
明るくない未来だと分かっていても二人はどうしようもない二人のままでいることを選んだのかなぁ、と思いました。まあずっとその精神だったんだろうけどそれにしても破綻している

大塩のおじさんの死体が発見された後に花が淳吾を誘うシーンであえて「お父さん…しよ」とお父さん呼びにしたところが花の歪み。その前までの会話では「淳吾」って呼んでいたのにね。花にとって淳吾は“父親”でも“恋人”でもなく“私の男”でした…という。
でもその歪みは誰のせいでもないような気もする。もしかしたら天災をきっかけに歪みが酷くなっていっただけで花は元々魔性を持っていたのかもしれない

「あれは全部私のもんだ!」と言い切れるほどの男を得た女はしぶとく強いんですね。「俺はおまえのもんだ」と言った男の方は一度堕ちると這い上がれないようで、東京編の淳吾は酷かったです。結婚相手まで見つけてしまう花は図太いよね。結婚する目的が本来の意味とは違うあたりも…
仕事帰りの花が家でふんぞり返っている淳吾に「何してんの?」と問いかけた後、「後悔」と答えたあたりが決定的な違いだった。ズームされる煙草のHOPEが虚しいよー

どうでもいいけど「おまえは俺のもんだ」より「俺はおまえのもんだ」という言い回しをするヒーローが昔から好きだ。淳吾全然ヒーローじゃないけど

他に印象深かったシーンは花がお父さんにおぶわれて津波から逃げるところかな。実際にあったことを連想しながら観るにはとてもつらいものがあった。
淳吾を手に入れられなかった小町が東京に出て行って(たぶん)落ちぶれた姿と、手に入れた証のイヤリングを誇らしげに揺らす花がバチバチしていた葬式シーンも記憶に残っている。

そして高良くん演じる尾崎が淳吾に花と寝ていないかチェックをされる場面、なぜここにきてBL展開!?と思ってしまってごめんなさい。でも「上だけですよ!?」って…上だけなら素直に脱ぐのかよ尾崎!唯一ここで笑った

あー二階堂ふみ末恐ろしい。年齢なんて関係ない、という旨のツイッターを見たけどどうしてこんな演技が出来たのか不思議で仕方ない20代前半だよ…





トーク付きということで、少し裏話↓

・花が流氷に飛び込むシーンは4回(死ぬ気で来ました!というふみ様の意気込み)
・流氷飛び込みより朝行為に及ぶシーンの方が寒かった。取り壊し予定の市営住宅を切り取って機材等を置いていたので隙間風入りまくり+裸の上に演出の赤い水かかりまくり=寒すぎ
・北海道の映画をもっと撮っていきたい(是非!)

帰りにはサイン会も敢行されていました。急ぎだったのですぐに出てしまったけど、映画監督を間近で見る機会はそうそうないのでとても貴重な時間だったなー。撮影OKだったので写真を添付して〆とします。おしまい


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