20140526

チョコレートドーナツ

「チョコレートドーナツ」を観た。日曜の夕方だったけど結構席は埋まっていたような気がする。うーん、映画館で観てよかった。部屋で一人で見るより同じ空間で誰かと空気を共有したいと思う映画でした。

ショーダンサーと弁護士のゲイカップルが身寄りのない(母親が逮捕されたので)子どもを引き取り暮らし始めるのだけど、法と世間の目はこの三人家族の形を認めてはくれず…という流れで話が進んでいきます。以下ネタバレ有り





特に後半は「どうしてそこまでするんだ…」としか言いようがない気持ちが溢れてたまらなかった。35年前と現代とはまた違うのかもしれないけれど、こういう映画を見るとなんで日本は男同士(or女同士)で結婚できないのかね、というシンプルな疑問が湧く。紙一枚の話でしょ?では片付けられない部分も出てくるわけだから、結婚したいと望むカップルがいるのならOK出せばいいのに。と、ほんのほんのほんの少し法律の勉強をしていたので余計に「法律って結局誰のためものなんだ…?」という虚しさを感じてしまった

二人の性格は対照的で、ゲイであることを隠すことをあまり好まないルディと生活していくには本音を隠すことも必要だとするポールを見たときにふと中村明日美子さんの同級生シリーズの二人を思い出した。

「社会とか世間とかそーいうことだろ?なんでそーいうふうにせまっくるしく考えんの?関係ないじゃん」
「普通ってことからはみだしたり逆らったりすることの難しさをお前は全然わかってない!」
(中村明日美子「卒業生 -春-」79,80頁より引用)

上の台詞がルディ(=草壁)、下の台詞がポール(=佐条くん)っぽいな~と思いながら見ていました。漫画の二人はこれがきっかけで喧嘩するんだけど、私は草壁くんが謝るときに言った「でも根本的に俺は間違っていないと思う」という台詞がすごく好きだ。
話が飛んだ!飛んだついでに同じ漫画家さんの「Jの総て」という作品はチョコレートドーナツに近いテーマを扱っているので(時代背景とか舞台が外国のところも)考えどころが似ている気がする。近々読み返したい。

映画の話に戻る。なんと言ってもルディの歌がすごくよかった!また聴きたいなーと思って観終わったあとすぐにサントラを調べたのだけれど、まだ日本では発売されていないようです。いまのところiTunesだけっぽい。特にグッときたのはルディがデモテープを送った先のクラブで初めて歌ったときかなー。ゲイバーの頃よりは薄目の化粧、真っ白の上下で歌う姿は凛としていて格好良かった。

マルコの母親もなーーーああなってしまったのは本当に悔しいじゃ済まされないけど、でも本当にマルコに対しての愛は無かったのかと思えばそうではなかった、と信じたい。というかあんなやり方で刑務所から出したのがそもそも…
正義の反対はまた別な正義というけれど、この裁判における正義って一体なんだったんだろう。口ではいくらでも言えるけど自分が実際にできることってなんなんだろうな

帰宅してから原題のany day nowを調べると「今すぐにでも」という意味だと知ってすごく腑に落ちたというか、涙腺刺激されてしまった。でも邦題のチョコレートドーナツもすごくハマっていると思う。思い出してまた少しうるっときた。

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